Philippine Department of Agriculture – Tokyo
ユーカリ切り枝、需要ぐんぐん 初期投資低く作業性良好 産地化広がる

ユーカリ切り枝、需要ぐんぐん 初期投資低く作業性良好 産地化広がる

切り枝のユーカリ栽培が急拡大している。婚礼など業務需要の回復に加え、サブスクリプション(定額販売)など家庭需要の伸びが背景にある。露地で栽培できるため初期投資が少なく、作業負担も少ない。副収入や休耕地の活用に最適で、JAや行政が産地の育成・拡大に力を入れる。

 東京都中央卸売市場のユーカリ取扱数量(2022年)は10年前の3倍(175万束)、金額は同4・5倍(5億円)でいずれも過去最高を記録した。旺盛な需要を受け、市場から産地化を促す動きも活発だ。

 福岡県のJAむなかた花き部会は、主力のトルコギキョウの端境期に栽培可能だとして17年に導入。温暖な平野部の立地を生かし、全国でも珍しい周年出荷を実現する。丈の短い規格を充実させ、昨年10月からサブスクリプション大手のブルーミーへも販売する。

 現在は10戸、2ヘクタールで生産する。主品目の花きやカリフラワー、ブロッコリーとの複合経営が多い。ユーカリを作る部門長の井ノ上精二さん(61)は、排水や通気性に気を使い、短い枝が多く取れるよう管理する。「誰かがいいねと言うとすぐ種を注文する。少人数だが動きが速い」と産地の活気を伝える。

 滋賀県では行政とJAが連携し、湖東・湖南地域で広く産地化が進む。JAこうかは市場の声を聞き、19年から作付けを開始。中山間地の狭い土地で作れ、獣害にも強い。20年度の8戸1・3ヘクタールから22年度は15戸2・3ヘクタールへ拡大した。県の推奨品目となり、JAが広報誌で生産者を募集、イチゴの新規就農者にも複合経営を勧める。

 主産地の愛媛県も生産拡大に乗り出した。県中予地方局は昨年、JA松山市やJAえひめ中央、東温市や松山市とユーカリ生産対策協議会を初開催。両市の実証園地で、水田跡地での排水性向上や安定生産技術を追求する。25年には10アール当たり収量を現状の8000本から1万本へ高め、主力「グニー」の面積を13ヘクタールから17ヘクタールに増やすことを目指す。

引用:https://www.agrinews.co.jp/economy/index/139047

[wps_visitor_counter]