2023年3月17日
和牛需要開拓に奨励金 在庫保管支援の後継策 農水省
農水省は、和牛肉の在庫解消と新たな需要開拓を支援する「和牛肉需要開拓支援緊急対策事業」の詳細を固めた。食肉業者を対象に、新たに販売を増やした和牛肉の重量に応じて奨励金を交付する。ヒレ、リブロース、サーロインの交付額は1キロ当たり800円。需要開拓計画の策定が要件だ。
2023年度の農畜産業振興機構(alic)事業として41億円を計上した。コロナ禍の需要減で積み上がった在庫の保管料などを支援する、22年度までの「和牛肉保管在庫支援緊急対策事業」の後継策と位置付ける。
コロナ禍による和牛需要低迷の影響が長期化し、在庫量は依然、高止まり傾向にある。23年度に出荷される肥育牛は導入時のもと畜費が高く、同省は「枝肉価格が低下すれば、肥育経営に影響が大きい」(食肉鶏卵課)とみる。
そこで、食肉業者が産地から和牛の枝肉を仕入れ、小売りや外食といった実需者に部分肉で販売する需要開拓を後押しし、在庫解消を目指す。奨励金の単価は販売する部位ごとに異なり、ヒレなど三つが同800円、肩ロースなど、「ロイン」以外の部位には同300円を交付する。
支援を受けるには、原則として実需者1社ごとに「需要開拓計画」を作成し、alicの承認を受ける必要がある。計画には、①産地から販売先までの供給の流れ②産地との連携内容③販売重量――などを記載。1計画当たりの販売重量は2・5トン以上25トン以下とする。
事業は23年度限定で、年度内に4回公募を行う。初回の公募締め切りは4月中旬の予定。食肉業者が所属する団体ごとに計画を取りまとめて、alicに提出する。

引用:https://www.agrinews.co.jp/news/index/141102