Philippine Department of Agriculture – Tokyo

青果流通3社が協業 加工・業務用 国産供給拡大へ

国産青果物の安定供給に向け、青果流通・加工大手3社による協業が動き出す。エア・ウォーター(大阪市)が、デリカフーズホールディングス(東京都足立区)、ベジテック(神奈川県川崎市)との資本業務提携締結に合意した。国内農家の減少や輸入品の高騰を受け、国産青果物の調達から加工、販売までの供給網を強化。加工・業務用の供給拡大につなげる。

 エア・ウォーターは、北海道など大産地の調達網が強み。デリカフーズは全国3万の飲食店を顧客に持ち、ベジテックは仲卸業を通じて小売りや中食に広く販路を築く。

 JAグループとの取引も多い3社の売上高合計は約2400億円(2022年3月期)。単純な比較はできないが、国内卸売市場の青果物取扱高と比べると、1割弱となる。

 協業の内容は多岐にわたる。原料調達では3社が契約産地と個別に築くルートを集約、効率化。4月には北海道産の調達をエア・ウォーターに集約する。

 加工では、カットや加熱、冷凍など各社が持つ機能を組み合わせる。顧客ニーズに応じて商品を開発する。

 3社で計120ある物流拠点の共同活用も進める。契約農家から産地側の拠点まで運ぶ調達物流、産地・消費地側双方の拠点を結ぶ幹線物流は、エア・ウォーターが担う。消費地側の拠点から顧客への配送物流はデリカフーズが手がける。

 業界の関心は高い。首都圏市場の卸売会社は「多様な商品に加工する施設とノウハウを持ち、物流拠点も持つ大手企業の連携。青果流通に与える影響は大きい」とみる。

 3社の協業は、国内生産基盤の弱体化や気候変動、輸入品の高騰などから、国産青果物の供給網強化が必要との判断からだ。

 エア・ウォーターの豊田喜久夫会長は2月の会見で「全ての加工、物流、調達機能を共有し、互いに発展できる組み合わせをつくり、日本の農業を支えたい」と抱負を語った。

引用:https://www.agrinews.co.jp/news/index/141368

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