マスク緩和どうする? あすから「個人の判断」に 農家、JAの対応は
農家=柔軟な着脱継続 JA=対応分かれる
新型コロナウイルス対策のマスク着用が13日から緩和される。農作業ではこれまでも人との距離が取れればマスクを外すなど柔軟に対応している例が多く、農家からは大きな変更はないとする声が多い。一方でJAは、役職員について着用継続や自己判断など対応が分かれている。
農業分野では、多くの従業員を雇用する法人でも、13日を境に対応を変える例は少ないとみられる。8ヘクタールでブドウを栽培する山梨県山梨市のアグベルは以前から、農作業中の着用はスタッフに一任する。マスクを着用してきた選果場については「7月の稼働まで様子を見ながら判断したい」(丸山桂佑代表)とする。
他の農業者からも「ハウス内では着けず、1畝に2人以上入らないようにする方針を続ける」(福岡県の法人)といった声が多い。
栃木県さくら市の農業法人匠屋では、車に複数人乗る際や会議では着け、農作業では外すなど柔軟な対応を従業員に呼びかけてきた。土屋恭則代表は「必要に応じてマスクを着けることがみんな癖になっている。一気に外すことにはならないと思う」と話す。
一方、農福連携で花きや野菜を生産する帝人の特例子会社・帝人ソレイユ(千葉県我孫子市)は帝人グループの方針に合わせ、着用は自己裁量とする方向。事前に従業員に伝えているが、鈴木崇之取締役は「どの程度外すかは当日にならないと分からない」と話す。
JAでの対応はさまざまだ。JA鳥取県中央会は、13日以降の基本的な考え方として「原則2メートルの距離を確保できない場面ではマスクを着用する」との方針を示し、県内の3JAに伝えた。
兵庫県内14JAに聞き取ったところ、役職員については大きく分けて、①マスク着用を継続②接客時だけマスク着用を求め、それ以外では自己判断③全面的に自己判断――などと対応が分かれた。ただ自己判断としたJAでも「実際に職員がマスクを外すかどうかは分からない」(JA兵庫六甲)という。
この機会に、会議の在り方を見直す動きもある。JA山口県は13日以降、原則ウェブ開催としていた会議を、感染対策を徹底した上で実開催する方針を示す。マスク着用は自己判断とするが、組合員や高齢者らと接する会議では着用を求める。同JAは「グループワークなど、対面が望ましい会議も多い」(リスク統括部)と理由を説明する。
<メモ>
政府は2月に、3月13日以降、マスク着用は個人の判断に委ねるとの方針を示した。コロナ対策では、業種別ガイドラインを各関係団体が策定している。農業、畜産、林業分野のガイドラインを策定する各団体は3月上旬にかけ、ガイドライン改定や考え方を示すなどして、政府方針を反映した。

引用:https://www.agrinews.co.jp/news/index/142679