2023年3月15日
イチゴの収穫期調整可能に 農研機構が技術開発、現場のハウスで検証
農研機構は、イチゴの生育を正確に予測し、環境を制御して収穫期を調整するシステムを開発した。需要期に合わせた計画的な農作物の出荷を可能とする“次世代型農業”の基盤になる技術。人工的に気象条件を制御できる装置内で実証した。このシステムを用いることで、天候の影響を大きく受けていたイチゴの収穫ピークを、ほぼ目標とする日に調節することができた。クリスマスなど需要期に出荷ができるようになれば、農業所得の向上につながる。今後は生産現場での検証を進めていく。
システムは、開花日や果実温度などのデータから収穫までの期間を予測し、目標とする日に収穫ピークが近くなるよう、温度を制御するというもの。
温度や湿度、日射、二酸化炭素(CO2)濃度など気象条件を人工的に変えられる装置を使い、室内で実験した。収穫のピークが目標出荷日から1週間はずれるだろうと予測されたイチゴを、目標日の前後1日という範囲に持ってくることができた。
これまでも生育や環境データから収穫期をを予測する技術はあったが、天気予報を基にするため、実際の天候に左右されるという課題があった。
収穫期を需要期に合わせることが可能な「ジャストインタイム(JIT)生産システム」として確立を目指す。ハウスで実行可能か検証し、2023年度以降、試行アプリの開発や導入マニュアルを整備するなどして普及につなげる。

引用:https://www.agrinews.co.jp/farming/index/143135