Philippine Department of Agriculture – Tokyo
5農家×クリエイターでアイデア百出 佐賀県事業 売り上げ1000万円アップ

5農家×クリエイターでアイデア百出 佐賀県事業 売り上げ1000万円アップ

刷新したロゴやパッケージの例(佐賀県提供)

刷新したロゴやパッケージの例(佐賀県提供) 佐賀県内で若手農家がデザインなどを手がけるクリエイターと連携し、自社ブランドを高める事業によって、4年間で全5組が売り上げ1000万円以上増を達成した。「稼げる農業」をテーマに経営の強みを再確認し、それに合うロゴマークの一新や商品化を進めた。店舗開設や商談会などを通じて販路も確保して売り上げを伸ばした。(三宅映未)

デザイン一新、商品化

 「さがアグリヒーローズ」と名付けた県の支援事業で、2019年に開始。県内で肉用牛、酪農、採卵鶏、果樹、花きを経営する20~40代を中心とした農家が公募で参加した。統括クリエイターの江副直樹氏が、農家と専門クリエイターをマッチングした。当初2年間は、経営課題の洗い出しによる事業の整理やブランドイメージづくりが中心。これにより「派生的な商品や取り組みが数多く生まれた」(県農業経営課)という。

 唐津市でカーネーションなどを生産する平田花園は、ロゴマークやウェブサイトのデザインを見直し、「母の日」用のカーネーションギフトボックスなど資材も統一感が出るよう一新した。新たにトウガラシの栽培、商品化にも挑戦。全体の売り上げはコロナ禍前の2倍まで拡大した。

 同園はこれまで、ドライフラワーなどの6次産業化を手がけたが、収益性が課題だった。クリエイターからは「栽培技術そのものが一番の強みでは」と提案があった。

 そこで花で培った技術を生かし、傍らで進めていたトウガラシ生産を本格化。唐津がトウガラシ伝来の地とされる歴史的背景を絡めて商品コンセプトを固め、一味唐辛子「赤獅子(じし)」など3種を商品化した。飲食店などに置いてもらうことを想定し、筒形の容器に高級感のあるラベルを施した。商談会で評価を受け、現在は県内を中心に、スーパーやピザ店などの飲食店でも取り扱われている。

 同園の平田憲市郎さん(43)は「これまで場当たり的だった6次化が、永続的なブランドになるように取り組んだことで成果に結び付いた」と話す。

 県農業経営課は「商品やロゴを新しくするだけでなく、しっかりとコンセプトを固め農家自身が考え方を整理したことで、消費者からも注目を集める商品展開につながった」とみて、今後の取り組みの拡大を期待する。

引用:https://www.agrinews.co.jp/news/index/138788

[wps_visitor_counter]