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大豆「ちくしB5号」転換進む 収量、豆腐適性に注目 福岡

大豆「ちくしB5号」転換進む 収量、豆腐適性に注目 福岡

福岡県の大豆産地が新品種「ちくしB5号」への転換を進めている。従来の主力「フクユタカ」に比べて収量が平均で8%多く、豆腐適性が高いとされる。生産・実需の双方から注目が集まる。品種特性を発揮して収量を安定させられるかが焦点となる。

 豆腐適性が高い「フクユタカ」の主産地である九州では近年、天候不順から収量の減少が続き、実需が要望する安定供給の面では課題があった。

 「フクユタカ」が作付けの約9割を占める福岡県では、県農林業総合試験場が開発した品種「ちくしB5号」への全面転換を計画する。2022年産は、県内の2JAで作付けた。その一つであるJAたがわは、全面転換となる410ヘクタールで栽培し、採種にも取り組む。同年産は大・中粒比率で8割を超えており、安定した粒別比率となった。

 同JA営農企画課の山本明広課長は「これから期待ができる品種」と手応えを話す。

 同JAでは、降雨後に素早くまくことができる播種(はしゅ)技術を推進し、収量を伸ばしてきた。新品種は、早まきが可能で長雨による播種遅れ防止に一層期待が高まる。同JAの麦大豆部会の山口忠秋部会長は「所得向上になる」と意気込む。

 実需も豆腐適性を評価する。九州産大豆などを使用した豆腐の製造・販売を手がける田川市の豆腐メーカー三好食品工業は、新品種を使用した商品化を進めている。日本豆腐協会会長で同社の三好兼治代表は「フクユタカと遜色なく、安心して作れる」と収穫量の安定を期待する。

 JA全農ふくれんは「県域の大豆部会を通じて生産者への情報提供などを行い、実需者が求める安定供給を実現したい」と需要拡大を支援する。県では、安定した種子供給体制を整備し、九州一体となった品種切り替えによるロットの安定化を目指す。

引用:https://www.agrinews.co.jp/economy/index/135889

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